2025年度夏季インターンシップ in 松江本社

Posted by Hiroyasu Tawara on September 30, 2025 · 3 mins read

NaClの俵です。今年の本社インターンシップは5日間、2回での開催でした。
本記事では、松江本社のインターンシップの全体の流れや、参加者の声、開催側の課題や感想についてまとめています。

インターンシップ概要

今年度のインターンシップの題材は「Rails Tutorial で作成したWebアプリの機能追加」です。
SNSの機能を持つRailsアプリケーションをベースに、段階的に機能を追加する課題にチームで取り組んでもらい、最終的にオリジナル機能を提案・実装するという目標に挑戦してもらいました。
昨年と同じテーマですが、日数が半分なので、課題として取り組んでもらう部分をミニマムにしています。

  • 参加人数:
    • 1週目: 9名
    • 2週目: 8名
  • 日数: 5日間
  • 内容: Rails Tutorial で作成したWebアプリの機能追加

以下のスケジュールで開催しました。去年の講義パートが好評だったので踏襲するようなスケジュールでの開催です。

  • 1日目: 自己紹介、インターン説明、開発環境構築、会社案内、ランチ会、Gitについての講義
  • 2日目: 開発
  • 3日目: 開発
  • 4日目: 開発、まつもとさんを囲む会
  • 5日目: 発表会、お茶会

情報共有ツールとしてDiscordを利用しました。

1日目

段取りと感想

まず、最初に自己紹介とインターンシップ概要です。今年は各週とも同じ学校から参加してくれた人も多く、初めから和気あいあいとした雰囲気でした。

その後しばし休憩を挟み、本社の紹介と社長の前田より会社説明を行いました。

初日の昼はアイスブレイク・社員との交流のためのランチ会を行いました。

day1_01.jpg
お弁当はボリューム満点で学生たちには好評でした。

day1_02.jpg
食事をしながらだと会話も弾みますね。

午前中のちょっとした時間では、私たちもインターン生同士もお互いに人となりまでは分かりません。
なので、開発に入る前にちゃんと話す時間が取れたのは良かったなと思います。

午後からは開発環境構築とGitについて講義を行いました。
Gitは使ったことがあるという人が多かったものの、改めて知識として学びなおすことができた!と好評でした。

インターン生の感想

  • 今まで使ってきたGitやGithubの仕組みについて整理がついてすっきりした。
  • コンフリクトについて初めて知った。ブランチを分けて作業することの必要性が分かった。

2日目

段取りと感想

今年は2日目からチームを分けて開発を行いました。
よりよい体験や学びを持ち帰ってもらいたいので、メンバーの分け方は奥が深く悩ましい部分ではあります。

各週で試行錯誤してみましたが、短い開発期間ではやはりメンバーの役割分担が上手くできるかが重要になるようです。

day2_01.jpg

day2_02.jpg

その点で行くと今回のインターン生はみんな自然と分担ができていて、どのチームもすぐにうまく回るようになっていました。
チーム開発はほとんどの人が未経験とのことでしたが、それを感じさせないほど見ていてとても頼もしかったです。

インターン生の感想

  • たくさんエラーに遭遇したが、社員やチームメンバーに助けてもらって目標まで進められた。
  • Railsアプリについて、構造と構文の面で知らないことだらけで難しかった。

3日目

段取りと感想

1週目は3日目の午後からまつもとさんを囲む会を行いました。
これはインターン生にまつもとさんに聞いてみたいことを考えて来てもらい、直接質問して答えてもらおう!という趣旨の会となります。
こちらについては2週目は4日目に実施したので、翌日の振り返りにまとめます。

3日目の開発は、各週ともオリジナル機能の実装に本格的に着手していました。
全体としてはいいね機能の追加が人気のようでしたが、「特定のコミュニティに特化したSNSにする」など独自のアイデアも出てきました。

この頃になるとチーム内での意見交換や議論も活発になっており、よりチーム開発らしさが出てきた印象です。

ところで、今回のインターンを通してのトピックとして、開発における生成AIの活用と難点が挙げられそうです。
インターン生は、みんな普段からChatGPTをはじめとするAIチャットサービスを利用しているとのことでした。
こちらとしてもAIが生成したコードを含めることを制限せず、またどのチームも少なからずAIを使用し、実際にスピード感のある開発を実現していたと思います。

一方で、生成されたコードの内容を詳しく検分しないままコミットしてしまったチームもあり、結果として意図しない変更による大きな手戻りが発生したケースもありました。

AIが質問の文脈についてどこまで把握しているか?
自分が知りたいことに対して質問の仕方は適切か?
生成されたコードを利用する場合、その正しさはどのように担保するか?

...などなど、生成AIを開発に活用しようとする場合、利用する側の知識やノウハウも必要とされる場面が存在します。
このテーマは私たち自身もまだ手探りの段階ですが、インターン生の取り組みを見ていて、「そういう使い方もあるんだな」と気づかされる場面も多く、自分にとっても学びの多い時間でした。

インターン生の感想

  • 簡単そうな機能でも、実際には考慮しなければいけない点がたくさんあることを実感した。
  • オリジナル機能のための調査を通じて、昨日よりいっそう理解が深まっている。

4日目

段取りと感想

4日目は引き続きオリジナル機能の実装です。
本格的に開発の時間が取れる最後の日ということもあり、みんな黙々とした作業していた印象です。

サポートに入っていても、この数日間で彼らのRubyやRailsへの理解が深まっていることを感じさせてくれました。

2週目は午後からまつもとさんを囲む会を実施しました。
東京支社のインターン生にもオンラインで参加してもらい、たくさん質問をしてもらいました。
day4.jpg

各週を通して多かったのは、AIについての話題です。
生成AIを使用している中で、浮かんでくる疑問や悩みはみんな少なからずあるようです。

またインターン生からの質問ということで、仕事としてのプログラミングへの携わり方という部分についても関心が向けられていました。

質問と回答(抜粋)

  • AIがプログラムを書けるなら、自分が今勉強していることは無駄になるのではと不安に思う
    • AIの生成物を評価するための知識は必要
    • AIには身体性が無いから困ることができない = 問題について自発的に改善の必要を見出せるのは人間だけ
  • Rubyを使ったプロダクトが普及しているのを見るとどう感じる?
    • 自分のものではないが、誇らしさは感じる
    • 子どもの活躍を見ているような気持ちかも
  • 仕事でやりがいを感じたとき
    • 自分が携わった仕事が実際に世に出たとき
    • ただし、何年も残り続けるものってそう無いからさみしくもある
  • どんな人と仕事がしたい?
    • 怒らない人
    • 同僚が怒られているのを見るだけでも能率が下がるという研究がある
  • どんなSF作品が好き?
    • テッド・チャンの『理解』が面白い!

インターン生の感想

  • まつもとさんからAIについての今後の予想を聴き、とても興味深かった。
  • 開発最終日になってようやくRailsに慣れてきた。読む力をもっと身に着けたい。

5日目

段取りと感想

5日目、午前中に準備してもらい午後からNaCl社員にむけた一週間の成果発表をしてもらいました。

day5_01.png

day5_02.png

day5_03.jpg

実際、作業に当てられた時間で見ると非常に短い開発期間だったと思います。
しかしながら全てのチームが複数のオリジナル機能実装を達成していて、発表では取り組んだ内容や今後の展望まで明瞭に伝えることができていました。

総じて、1週目・2週目ともに学生の能力の高さを実感し、私たちも感心させられ続けたインターンとなりました。

成果発表会の後、お疲れ様の意を込めてささやかながらお茶会を催しました。
みんな緊張もほどけて、リラックスした表情で会話をしてくれていた印象です。

ちなみにこのスケジュールは、例年終わり際があわただしくなっていたとのことから企画されました。
実際、最後に落ち着いてコミュニケーションできる時間が取れたことは、NaClとインターン生のお互いにとってうれしいものになったと思います!

参加者の声(抜粋)

タスク難易度

  • 難しかったが、社員のサポートがあったのとチームとして取り組んだので達成できた。
  • 序盤の課題の時点で、前提となる基礎知識についてもっと解説が欲しかった。

楽しかった・うれしかったこと

  • チーム開発が経験できたこと。並行して進めていた作業が合流して一つのものが完成した時がすごく楽しかった。
  • 自分のアイデアが実際に機能させることができたこと。
  • 不明点をすぐに質問できる環境だったので、安心して進められたこと。

残念だったこと・期待と違ったこと

  • 期間が短く感じた。理解してきたと思った頃には終わりが来てしまった。
  • リファレンスとして提供されたドキュメントに誤りがあったのは残念だった。
  • 社員との座談会のような、直接質問できる機会がもっと欲しかった。
  • RubyやRailsについて、もう少し基礎から教えてほしかった。

Links